2020年オリンピック会場問題について[状況報告]

2015年9月11日、展示会産業における日本最大の業界団体 「日本展示会協会」は東京都の舛添知事に対して2回目の要望書を提出しました。

オリンピックの成功と同時に、展示会の中止を回避する為に「東京臨海広域防災公園に、プレス用施設を建設すること」を要望いたします。

という内容の要望書です。(詳しくは日本展示会協会の原文をご覧ください)

日本最大の展示会場 『東京ビッグサイト』 が、2020年東京オリンピックの際に計画通り準備期間を含め長期間(最悪1年以上)にわたってオリンピック会場に使用されれば、例年ビッグサイトで開催されていた多くの展示会がその間、中止になる可能性が高い。

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つまり、毎年開催されている300本の展示会が行き場を失い(代替会場の有力候補だったはずの、幕張メッセも競技場として検討されています)展示会での売上げに大きく依存する約9万社の中小企業の出展社や1,000社に上る展示会関連サービス企業に、深刻な影響を及ぼすと危惧されています。

「大問題になることは明確で、解決のためには日展協をはじめ展示会関係者が解決策を提案することが重要だ」 との結論にいたり今回の要望書提出となりました。東京ビッグサイトの北側にある、東京臨海広域防災公園にプレス用施設(5万㎡)を建設することを提案しています。(現時点では、現実的な最良の提案だと思います)

そして、私たち同人誌印刷会社はこの「深刻な影響を受ける」中小企業にあたります。

展示会が開催できないとすれば、同人誌即売会はなおさらです。

残念ながらビジネスショーに比べ、同人誌即売会の優先順位は高くはありません。このまま2020年に突入すれば、大幅な売上の減少は覚悟しなければなりません。私たちのような会社でも、働く社員とその家族を守らなくてはなりません。黙って死を待つ(ちょっと大袈裟ですが)ようなことはできません。

栄光では2013年5月にこの日本展示会協会に加盟しました。

【2013年には、すでに問題視されていた】

2020年東京オリンピックは2013年9月に開催決定となりましたが、それに先立ち招致段階の立候補ファイルには東京ビッグサイトを放送&プレスセンターおよび3競技の会場として使用されることが明記されていました。

「東京」オリンピックであり、主催者の東京都の物件ですから当然のことです。

当時入会したもう一つの理由が、黒子のバスケ脅迫事件です。2012年10月から、犯人が逮捕された2013年12月まで、イベントの中止により皆様同様に同人印刷会社も少なからず影響を受けました。

当時の人気No.1のジャンルだったから、なおさらです。

同人誌業界だけの交渉力では限界があり、広くイベント全体の問題と捉え日本展示会協会のバックアップも受けるべきだと考えました。

【そして、これから・・・】

2020年のオリンピックそのものが、新国立競技場、エンブレム問題と迷走を続けているので、まだ展示会の会場問題まで辿り着いていない感じです。

議題に上がった時に、時間切れになるのが最も心配です。

幸い、東京都の前田副知事やビックサイトの関係者の方々は問題を理解され西館の増設完成の前倒しや、使用できない期間の圧縮に務められています。

ロンドン・オリンピックの時も同様の問題があり、展示会場が競技会場として使用されましたが関係者の努力の結果、使用期間は2か月半に短縮されプレス用施設も展示会場以外の場所に新たに建設され結果的に中止になった展示会は一つもなかったということです。

皆様には、日本展示会協会が提案している本案をご理解いただきご賛同いただけるのであれば

日展協ニュース(15/09/08)を拡散していただきたいと存じます。

同人誌を勝手に飯のタネとした、お前ら印刷会社が悪いのだ!知った事か、と言われればそれもその通りです。

岡田 一

この記事を書いた人

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栄光の二代目社長。大学漫研時代に同人誌発行。マンガは下手なのに、商業誌に四コマ連載経験アリ。「なんとかなる!」がモットーの“静かなるファイター”